倉庫建設時の省エネ機器導入に使える補助金制度

倉庫建設時の省エネ機器導入に使える補助金制度補助金

新しく事業を立ち上げるために、あるいは既存の事業の拡大や商品の在庫管理をするために倉庫が必要になることもあるかと思います。

しかし、倉庫に加え、そこに必要な機器を導入していくと、負担がかなり大きくなってきます。

そんなとき、補助金制度を利用することで事業拡大の際の負担を大幅に減らすことも可能になります。

今回は倉庫建設に必要な経費の補助に役立つ補助金の制度についていくつか紹介していきます。

省エネルギー投資促進に向けた支援補助金

こちらは資源エネルギー庁が支援する補助金制度となります。

こちらの補助金、建設した倉庫に導入される機器に対して支援されるものです。

補助金の事業目的は事業場、住宅、ビルにおける省エネ関連投資を促進することで、エネルギー消費率の改善を促し、徹底した省エネを促進させることです。

省エネ機材、省エネ建材により省エネ化を進めることが目的の補助金制度ですので、補助対象は幅広いです。

倉庫を建設にあたり、機器や断熱材に掛かる経費は決して少なくはありません。

この補助金制度を利用することで大幅な経費削減に役立ちます。

補助対象となるのは全業種の法人および個人事業主とされています。

補助が行なわれるのは設備単位での省エネルギー設備導入と工場・事業所単位で行なわれる省エネルギー設備導入があります。

補助対象設備は以下のものとなります。

  • 高効率照明
  • 高効率空調
  • 産業ヒートポンプ
  • 業務用給湯器
  • 高性能ボイラ
  • 高効率コージェネレーション
  • 低炭素工業炉
  • 変圧器
  • 冷凍冷蔵庫
  • 産業用モータ

具体的な基準に関しては、経済産業省との協議の上決定されます。

補助対象経費の区分についてですが、本事業の対象とする経費は、事業の遂行に直接必要な経費と事業成果の取りまとめに必要な経費になります。

本事業で対象となる事業費は工場・事業所単位で行なわれる事業場合は機器に掛かった費用又は設備の設計費、設備費、工事費。

設備単位で行なわれる事業の場合は、機器に掛かった費用、又は設備費になります。

さらに事業費以外の事務費に関しては、以下の経費が対象となります。

  • システム運用管理費
  • 通信運搬費
  • 機器・事務所等賃借料
  • 公募説明会費
  • 委員会費
  • 人件費
  • 印刷費
  • 消耗品費
  • 調査費
  • 金融機関、印紙等使用費
  • 業務委託費
  • 諸経費

補助率は工場・事業場単位での省エネルギー設備導入事業の場合、
1/4以内、1/3以内、1/2以内

設備単位での省エネルギー設備導入事業は、
1/3以内で補助されます。

※補助限度額(上限額及び下限額)は、経済産業省と協議の上、決定されます。

■詳しくはこちらのホームページをご参照ください。
平成30年度「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金(エネルギー使用合理化等事業者支援事業)」に係る補助事業者(執行団体)の公募について|資源エネルギー庁

■募集要項(PDF)↓
平成30年度「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金(エネルギー使用合理 化等事業者支援事業)」に係る補助事業者(執行団体)募集要領|資源エネルギー庁

先進技術を利用した省エネ型自然冷媒機器普及促進事業

こちらの補助金は二酸化炭素の排出を、抑制する省エネルギー機器の導入を補助する制度となっています。

こちらの補助金は対象機器が冷蔵機器になっています。

アイススケートリンクなどはまさに冷媒機器を必要とする施設になりますが…

その他にも食品製造の事業では、冷蔵倉庫や冷凍倉庫の設備が必要になるかと思います。

冷蔵倉庫、冷凍倉庫の建設を考えられている場合は、検討してみてください。

補助対象者は以下になります。

  • 民間企業の中小事業者
  • 独立行政法人、
  • 一般社団法人・
  • 一般財団法人および公益社団法人
  • 公益財団法人
  • 都道府県・市町村の地方公共団体組合
  • 法律により直接設立された特殊法人、
  • 環境大臣の承認を得て機構が適当と認められる者

補助対象機器は、

『省エネ 厨房機器』
『冷凍冷蔵倉庫用機器』
『アイススケートリンク用機器』

補助対象経費は補助対象機器の導入の際に掛かった以下の経費が支援されます。

『人件費』『設備費』『工事費』『消耗品費』
『旅費』『委託費』『事務費』

その掛かった経費の中から支給される補助率は導入機器により異なり、以下のようになります。

冷凍冷蔵倉庫用機器:1/2以内
アイススケートリンク用機器:1/3以内

■詳しくはこちらのホームページをご参照ください。
環境省 平成30年度「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」 の第4次補助金交付先の公表について|一般社団法人 日本冷媒・環境保全機構

脱フロン社会構築に向けた業務用冷凍空調機器省エネ化促進事業

こちらの補助金は二酸化炭素の抑制および温室効果ガスであるフロン類の排出を抑制するため、冷凍冷蔵倉庫に用いられる省エネ型自然冷媒機器の設備導入に要する経費を一部補助する事業です。

補助対象者は中小事業者、民間団体、民間非営利団体、公共団体になります。

また、下記の条件に当てはまる者になります。

  • 民間企業
  • 独立行政法人
  • 一般社団法人
  • 一般財団法人及び公益社団法人
  • 公益財団法人
  • 都道府県、市町村、特別区及び地方公共団体の組合
  • 法律により直接設立された法人
  • 環境大臣の承認を得て機構が適当と認める者

補助対象となる設備は、省エネ厨房機器および冷凍冷蔵倉庫に用いられる省エネ型自然冷媒機器になります。

設備導入で掛かった費用のうち補助対象となる費用は人件費、設備費、工事費、消耗品費、旅費、委託費、事務費、そこで掛かった費用の1/2が補助金で支援されます。

■詳しくはこちらのホームページをご参照ください。
環境省 平成30年度「脱フロン・低炭素社会の早期実現のための省エネ型自然冷媒機器導入加速化事業」 の第4次補助金交付先の公表について|一般社団法人 日本冷媒・環境保全機構

4:家庭・事業者向けエコリース促進事業補助金制度

こちらは家庭から事業者まで、幅広い層で利用できる補助金制度になっています。

省エネを促進する低炭素機器の導入を支援するための補助金ですが、こちらの制度は機器の導入をリース方式で支援する補助金制度となっています。

倉庫に新型の機器を導入する際に初期投資負担が掛かり過ぎることで導入を見送ってきた事業者の方々も少なくはないと思います。

低炭素機器を導入する際の企業の負担を最小限に減らし導入障壁を低くすることで省エネへの取り組みを促すことを目的としています。

いくら補助金が出るとはいえ、機器によっては導入時の初期投資の負担は、かなり大きなものになります。

そういった初期導入の障壁を頭金なしでリースという手法を用いること、導入しやすくなります。

補助金申請は環境省から指定を受けた指定リース事業者が行なうことになっています。

そのため、リース先の方が補助金申請の手続きをする必要がありません。

さらに、ほとんどの補助金制度はCO2削減量のモニタリング報告が必要になることもありますが、本制度では導入機器のモニタリング報告は必要ありません。

補助金申請とモニタリングがないことから比較的、手続きしやすい制度となっています。

補助金給付にはいくつか条件があります。

対象リース先は、資本金3億円以下の中小企業の事業者常時使用する従業員数が300名以下の医療法人個人事業主または個人の家庭になります。

補助金の対象となる機器の条件としては

  • 環境省が定めた基準を満たす再エネ・省エネ機器。
  • 新品かつ日本国内に設置される機器。

これらが条件となっています。

対象となる機器の種類は、専ら産業の用に供される低炭素機器専ら産業の用に供される以外の低炭素機器があります。

まず、専ら産業の用に供される以外の低炭素機器の種類は以下のものです。

  • 照明設備
  • 業務用冷凍冷蔵設備
  • 厨房用設備
  • 空調用設備
  • ボイラおよびボイラー以外の熱源設備
  • 新エネルギー利用設備

次に専ら産業の用に供される低炭素機器は

  • 建設機器
  • 工業炉
  • 鋳造機器
  • 省エネ型ダイカストマシン
  • エネルギー変換設備
  • 工作機械
  • 鍛圧機械

このようにリース契約が可能な機器は、数多く存在します。

■補助金対象製品の検索はこちらのページを参照してください。
低炭素設備リース信用保険の対象製品の検索|一般社団法人 低炭素投資促進機構

補助金の補助率についてですが、リース料総額の2~5%となっています。

補助率は先ほど紹介した専ら産業の用に供される以外の低炭素機器についてはボイラが3%、それ以外の低炭素機器は4%に設定されています。

そして、専ら産業の用に供される低炭素機器は2%の補助率になっています。

21世紀金融行動原則に署名しているリース会社に関しては、一部の機器で補助率1%上乗せされます。

東北三県(岩手県、宮城県、福島県)に加え、熊本県に係るリース契約については補助率が10%に引き上げられます。

■詳しくはこちらのホームページをご参照ください。
エコリース促進事業補助金制度のご案内|一般社団法人 ESCO・エネルギーマネジメント推進協議会

地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金

こちらの補助金制度は経済産業省が支援している事業であり、地域の工場、オフィス、店舗等が対象になります。

地域の工場・オフィス・店舗等の省エネに役立つ設備の導入を支援する制度ですが、倉庫への設備導入する際にも役立てます。

また、地域できめ細かく省エネの相談に対応することができる体制が整備せれているようです。

こちらの制度では『A類型』と『B類型』の2種類の制度が存在します。

A類型は最新の省エネ機器かつ旧モデルと比較して年平均1%以上の省エネ性能の向上が確認できる機器等の導入支援です。

B類型の場合は地域の工場、オフィス、店舗等の省エネ促進、工場・オフィス・店舗等の省エネや電力ピーク対策、エネルギーマネジメントに役立つ既存設備等の改修・更新を支援します。

そして、省エネや節電等のニーズに応えるべく、地域ごとにきめ細かな省エネ相談も実施しています。

ではA類型とB類型に分けて補助金を受け取れる条件や、補助率等についてお伝えしていきます。

A類型

A類型は最新モデルの省エネ機器等の導入を支援する制度になります。

補助金支援の機器の条件は2つあります。

最新モデルかつ旧モデルと比較して年平均1%以上の省エネ性能の向上が確認できる機器。

そして、一般財団法人環境共創イニシアチブ(SII)が指定するカテゴリーの機器であること。

その証明のためSII指定の証明書発行団体から『性能証明書』の発行を受けている必要があります。

補助対象となる事業者は以下となります。

  • 事業活動を営んでいる法人及び個人事業主。
  • 原則、本事業により新たに補助対象機器等を設置・所有しようとする事業者。
  • 補助事業の遂行能力を有し、法定耐用年数の間、導入機器等を継続的に維持運用できること。
  • 導入した補助対象機器等に関する使用状況等についてSIIが調査を行う場合、協力できること。

また、A類型とB類型の同時申請は行なうことはできません。

A類型の補助対象経費設備費用のみとなります。

設計費用や工事費用に関しては補助金対象外になります。

補助率は補助対象に掛かった経費の1/3以内で補助されます。

ただし、補助を受ける事業者が賦課金に係る特例の認定(FIT減免認定)を受けた事業所の場合は補助率は、補助対象経費の1/2以内まで補助されます。

また、対象経費の下限値の設定は、1/3以内の場合は150万円、1/2以内の場合は100万円となっています。

補助金額の上限は、1事業当たり1.5億円、下限は50万円となっています。

■詳しくはこちらのホームページをご参照ください。
補助対象カテゴリー表|一般社団法人 環境共創イニシアチブ
補助金対象機器等の用語解説集|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

B類型

B類型は地域の工場、オフィス、店舗等の省エネ促進、電力ピーク対策、エネルギーマネジメントに役立つ既存設備等の改修・更新を支援します。

A類型は新型の省エネ機器の導入を支援する制度となっていましたが、B類型での支援は既存の設備の製造プロセスを改善することによって、省エネ化を図るアプローチになっています。

A類型は機器導入における設備費用のみ、B類型は設計費用や工事費用も補助金交付の対象として含まれます。

B類型では既存設備での省エネ効果が見込まれることが申請の条件です。

事業開始してから省エネデータを測定し、SIIにどのくらいの省エネが実現したかの実施報告が求められます。

補助率についてですが、A類型以上にB類型の場合は補助率の設定が細かくなっています。

区分としてはエネマネ事業者との連携事業と連携していないその他の事業者で補助率が変化します。

※エネマネ事業者はエネルギー管理システム(EMS)を導入した工場や事業所に対して省エネルギー支援を行なう事業者です。

  • エネマネ事業者との連携事業の場

中小企業・エネルギー多消費企業は補助率は2/3以内、その他事業者は補助率は1/2以内になります。

  • 通常事業の場合

中小企業・エネルギー多消費企業は補助率が1/2以内、その他事業者は補助率が1/3以内になります。

1事業当たりの補助金上限と下限は、上限が50億円、下限が100万円となります。

また、補助金が発生する下限値は、補助金1/3の場合は300万円以上、1/2の場合は200万円以上、2/3の場合は150万円以上となっています。

■詳しくはこちらのホームページをご参照ください。
地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金事業内容詳細|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

まとめ

新倉庫を建設するにあたり、そこで用意の必要がある機材に掛かる費用を総合すれば大きな金額になり得ます。

そんなとき、今回紹介したような補助金を上手く利用すれば負担を大幅に減らすことも可能になりますので、倉庫の用途に合わせてご利用ください。

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