オフィスの省エネと各補助金制度の特徴について

オフィスの省エネと各補助金制度の特徴について省エネ

オフィスの面積が大きくなるほど設備が大型化、多様化していき毎月に掛かる光熱費の負担も大きくなっていきます。

また、消費電力の増加に伴い、温室効果ガスの排出量も増加し、地球温暖化にも繋がってきます。

こういったことを打開するために季節によってクールビズやウォームビズなどに取り組み、夏場であれば、半袖にして室温28℃厳守など少しでも負担を減らそうとする方向性にあると思います。

しかし、現在使用している機器の数々が型式が古すぎて消費電力も大きい場合、省エネに取り組んでいるのに大きな効果が見られなかったり、

取り組みが反映されづらかったりします。

大きな省エネ効果を得るためにはやはり省エネに特化したものを導入する必要が出てきます。

オフィスの快適な環境作りのために、省エネ機器(低炭素機器)を導入すれば、職場の雰囲気が変わり、従業員のモチベーションを上げることにも繋がってきます。

ただ、導入コストも決してやすいものではないので、導入障壁が高いと考えている人も多いと思います。

では、オフィスを省エネにするためにはどんな機器を導入していけば良いのか?

そして、省エネ効果の高い低炭素機器の導入をサポートする補助金制度がどんなものか?

今回はその2つを中心に解説していきます。

必須となる低炭素機器の導入

消費電力が大きい機器として全体の7割近くの問題を占めるのが、『照明』と『空調』

大きくはこの2つがポイントになってくると思われます。

『照明』については季節による限定がなく、24時間365日コンスタントに消費されるのが特徴です。

そして、『空調』は夏場の猛暑の時期や冬場の寒さの厳しい時期には必須になり、季節によって大きく消費電力が異なります。

これを考えると、照明器具においては季節問わず常に使用し続けるため、省エネ効果の高い照明器具の導入を最優先で考えて損はないかと思います。

現在、照明器具で高い節電効果を発揮すると言われているのが、LED照明になります。

どれくらいの節電効果があるかというと現時点で蛍光灯の1/2の消費電力、電球の寿命においては蛍光灯の4~5倍長持ちすると言われています。

初期投資費用が掛かる分、導入時の不安は大きいかと思いますが、使えば使うほど節電効果を実感できるはずです。

そして、何かと手を出しにくいのは空調施設です。

オフィスの中のすべての空調を変えるとなるとかなり大がかりになるため15年~20年以上前のエアコンを使い続けている人も多いです。

では、何年前のエアコンであれば設備投資する価値があるのか?

あくまで、家庭8畳向けのエアコンの電気代を比較したデータになりますが…

2016年の最新型エアコンと比較したデータですが、

10年前のエアコンと比べて19%
15年前のエアコンと比べて43%

省エネ化を実現しているデータがあります。

【参照:どのくらい違う?15年前・10年前・最新のエアコンの電気代を比較|エネチェンジ

このデータを見て判断すると15年以上前のエアコンになってくると最新型に比べて2倍近く光熱費が変わってきます。

もし、オフィスでの消費電力で空調が大きく占めていて15年以上も使い続けている場合は新たな空調機の導入を考える時期かもしれません。

補助金対象になる低炭素機器

省エネに優れた機器の中でも環境省が定めた基準を満たした機器は『低炭素機器』と呼ばれています。

この低炭素機器を導入することで電力消費が抑えられて節約に繋がるのですが、省エネに優れた機器を導入すると助かるのは企業だけではありません。

省エネ化に優れた機器を導入することは二酸化炭素などの温室効果ガスの削減にも大きく貢献することになります。

国では低炭素化社会を実現していくためにも省エネのために低炭素機器の導入を促進したい考えがあります。

低炭素機器の導入を促進するためには購入障壁を減らす必要があるという考えから施行されたのが補助金制度になります。

補助金対象になる機器は環境省が定めた基準を満たすものに限られます。

代表的なものを挙げるとすれば

『太陽光発電システム』
『高効率蒸気ボイラ』
『高効率照明器具』
『高効率業務用冷蔵冷凍庫』
『高効率業務用エアコンディショナー』など

各企業の専門分野に特化した低炭素機器でも補助金対象となるものはたくさんあります。

具体的な補助金対象機器は、低炭素投資促進機構のホームページより

『対象製品の検索』で検索ください。

エコリース促進事業補助金制度

省エネ化を促進する補助金制度はいくつか種類がありますが、その1つとして『環境省』の補助金制度でリース方式のものがあります。

低炭素機器の導入が困難な企業の場合、導入時に掛かる多額の初期投資費用(頭金)の負担が困難であるところです。

それを頭金のないリースという手法を活用した補助金制度がエコリース促進事業になります。

産業用機械、各専門の業務用設備等幅広い分野で対象になっており、低炭素機器をリースで導入した際、リース料総額の2~5%が補助されます。

節電効率の高いものほど高い補助を得られますが、東北三県(岩手県、宮城県、福島県)及び熊本県は補助率が10%になっています。

リース契約の対象者

資本金10億円未満の個人・中小企業。

リース契約の主な条件

リース契約には以下の条件を満たしている必要があります。

  • リース期間中の途中解約、または解除は原則できない
  • 所有権移転外リースの契約
  • 日本国内に設置され、かつ中古品でないリース契約
  • 低炭素設備部分のリース料が総額2億円以内、
    かつ事業者は300万円以上(個人は65万円以上)の契約
  • 他に国による設備購入にかかる補助金を受けていない契約

補助率そのものは大きくないものの中小企業・個人事業主規模としては契約条件に当てはまりやすいことから比較的補助金を受け取りやすい制度になっています。

中小企業向け省エネルギー設備導入補助金の種類

一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が請け負っている補助金制度に『エネルギー使用合理化等事業者支援補助金』という制度があります。

2030年度の省エネ目標達成に寄与することを目的に、民間事業者等の省エネルギー設備と技術の導入支援を行うものです。

個人事業主、中小を含む事業者、民間団体等の工場、オフィス、店舗等が対象になります。

補助対象者になる条件

補助対象者に課せられる条件は以下のものとなります。

  • 国内において事業活動を営んでいる
    法人及び個人事業主であること。
  • 原則、補助事業により国内において設置する
    補助設備の所有者であり、その設備の法定耐用年数の間、
    継続的に使用するものであること。
  • 事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を
    有していること。
  • 経済産業省の補助金等の停止措置または
    指名停止措置に該当しない者であること。

補助金対象費用

補助金対象になる費用は『設備費』『工事費』『設計費』となります。

なお、設備導入に当たり支援の事業は2種類に分けられます。

設備単位での省エネルギー設備導入事業

こちらは既設設備を省エネルギー性の高い設備を備えることで省エネルギー達成させることを目的とした事業になります。

主には『高効率照明』『高効率空調』『高性能ボイラー』などSIIが定めた基準を満たす設備の導入が対象となります。

補助率は設備費の1/3以内。

1事業当たり
上限額は3000万円
下限額は50万円

中小企業、個人事業主の下限額は30万円となります。

設備単位で補助金が発生するため、中小企業、個人事業主のオフィスに向いた事業になります。

工場・事業所単位での省エネルギー設備導入事業

もう1つの事業は工場・事業所単位で行なわれる省エネ設備導入事業になります。

プランとしては

  • 省エネルギー対策事業
  • ピーク電力対策事業
  • エネルギーマネージメント事業

この3つになります。

この3つの対策事業は単独でも組み合わせでも申請が可能になっています。

省エネルギー対策事業とピーク電力対策事業は補助率が設計費、設備費、工事費の1/3以内、

上限額は1事業当たり15億円/年度
下限値は1事業当たり100万円/年度

となります。

エネルギーマネージメント事業は、補助率が設計費、設備費、工事費の1/2以内

上限額は1事業当たり3000万円
下限値は1事業当たり50万円
中小企業、個人事業主の下限額は30万円

となっています。

さらに詳しい情報は、平成30年度のエネルギー使用合理化等事業者支援補助金の公募要領をご覧ください。<公募は終了しています>

エネルギー使用合理化等事業者支援事業|一般社団法人 環境共創イニシアチブ
エネルギー使用合理化等事業者支援事業 公募要領|一般社団法人 環境共創イニシアチブ

申請書類と申請から交付までの流れについて

SIIが請け負っている補助金制度は補助率が1/3~1/2とかなりの支援を受けられますが、その分、多くの条件が課せられています。

特に、工場・事業所単位になると提出すべき書類がかなりの数になるため、申請期間の1ヶ月間ですべてを円滑に進めるのは困難を極めます。

提出書類の事前準備を進めておくか、代行サービスを活用して申請サポートをしてもらうことを推奨します。

詳しくは以下のページを参照ください。

申請から交付までの流れ参照

設備単位の申請書類一覧

工場・事業所単位の申請書類一覧

オフィスの省エネと各補助金制度の特徴のまとめ

エコリースの補助金の場合、初期投資費用を頭金なしで導入できる上、補助金申請も受けやすいため、小回りの効きやすい個人事業の場合におすすめです。

しかし、中小企業でも規模が大きくなるにつれて設備投資も大きくなるため、SIIの補助金制度も必要になるかと思います。

会社の規模、申請条件、申請手続きなど考慮の上、どの補助金制度を活用するか検討してみてください。

関連記事

こちらの記事も併せてお読みいただき、エコオフィスに取り組んでください。
オフィスの省エネ対策をまとめて紹介!今日から取り組める節電方法

コメント

タイトルとURLをコピーしました