知っているようで知らない電子ブレーカーについて詳しく解説していきます。
電子ブレーカー及び電力プランを変更することで今まで当たり前のように支払ってきた電気代を大幅に節約することが可能となります。
もしあなたが、「現状の電気代を安くしたい!」とお考えであれば今回の記事を参考にすることにより大幅にコストカットすることが出来るかもしれません。
後半では電子ブレーカーを導入する前に行っておくべきことや一般的なブレーカーと電子ブレーカーの違いを詳しく解説しています。
この記事を参考にして頂き電気代を節約して頂ければと思います。
1.電子ブレーカーとは?
電子ブレーカーとは、『電子式ブレーカー』や『デジタル式ブレーカー』と呼ばれることもある低圧電力(三相200V)の基本料金を、大幅に削減できるといわれている設備のことを言います。
「低圧電力って何ですか?」と言いますと、商店や工場、マンションなどで、エレベーターやモーターなどの動力に使用するための電力です。
商店や工場、マンションなどでモーターなどの動力を使用し、契約電力が「50KW未満」の場合は、低圧電力契約となります。
電子ブレーカーは三相200Vの動力(低圧電力)に使用されるものであるため、一般家庭に使用されることはありません。
電力会社は、低圧需要家向けに低圧電力の料金プランをstrong>『2通り』用意しています。
「負荷設備契約」と「主開閉器契約」の2種類です。
この2つの契約プランの違いは後で説明させて頂きます。
要するに電子ブレーカーとは、電力会社が用意している料金プランの特徴を最大限に生かし「安全」「基本料金の削減」の2点を実現するために開発された商品となります。
2.低圧電力の2つのプラン
電力会社の電気供給約款で、低圧電力の契約容量は「契約上使用できる最大の容量」とされ、2種類の方法があります。
2‐1.負荷設備契約(従来からあるプラン)
各動力設備(電気機器)の容量の総合計kW数を契約容量とする、低圧電力の一般的な契約方法です。
使う全ての動力設備を合計しますので、「契約上使用できる最大の容量」になります。
稼動頻度や使用電力量に関わらず、設備容量の合計が契約容量となります。
同時に使用しない設備も合計されますので、基本料金が高くなる傾向があります。
基本的に一日中稼働しているエスカレーターやエレベーターは、基本料金が高額になる傾向が強いです。
2‐2.主開閉器契約(ブレーカー契約・新しいプラン)
安全上、実際の機械稼動時に流れる電流値を一定値以下にするために、開閉器(ブレーカー)を設置します。このブレーカーの値により契約容量を決めます。
つまり、主開閉器契約はメインブレーカーに流れる電流値によって容量が決まります。
そのため低圧電力であるエスカレーターやエレベーターの場合、
負荷設備契約のプランよりも主開閉器契約での利用の方が同じ使用量でも電気代(基本料金)を大幅にカットすることが可能となります。
3.低圧電力利用者の現状プラン
「それならほとんどの低圧電力の利用者は主開閉器契約にしているのですね!」と思うかもしれませんが、現状はまったくの逆です。
低圧電力の利用者のほとんどは、従来からあった負荷設備契約のまま利用しているのです。
なぜなら、平成8年度に、主開閉器契約(ブレーカー契約)が認められるようになったのですが、
それ以前は負荷設備契約しかなく主開閉器契約が可能になってからも契約プランを見直さず、
今まで通りの負荷設備契約で使用している会社が多いからです。
また、使用する電気機器の総容量が主開閉器容量を上回ってしまった場合には、停電してしまうリスクがあるため、
今まで通りの負荷設備契約のままで利用しているというところが多いです。
ただ、一般的な商店やマンションにおいて、すべての動力設備を同時に使用することはそうそうありません。
ですので、低圧電力の契約内容を「負荷設備契約」から「主開閉器契約」に変更し、基本料金の元になる基本容量を小さくすることで、基本料金を安くすることができます。
4.ブレーカーと電子ブレーカーの違い
また、負荷設備契約から主開閉器契約に変更するには、
既に設置しているブレーカーをそのまま使用するか電子ブレーカーに変更するかを選択することが出来ます。
「一般的なブレーカーと電子ブレーカーでは一体何が違うの?」と言いますと、以下のとおりです。
4-1.一般的ブレーカー
一般的なブレーカーは、その許容範囲以上に電流が流れるときに、電流を遮断し設備や配線などを保護する機能を持っています。
どれだけの電流が流れたら、何秒以内に遮断させなければならないという基準がJIS規格にて定められています。
これは、熱伝導式ブレーカーというもので過電流発生熱で電流を遮断する仕組みです。
4-2.電子ブレーカー
電子ブレーカーは熱伝導式ではなく、電流値をデジタル数値で感知します。
ブレーカーの動作をコンピューター制御し、JIS規格の許容範囲最大まで使用できるようにプログラミングされています。
急激な電流が流れても瞬時に電力を遮断するのではなく、
電流の強さと時間を監視し、規定時間以内であればブレーカーが落ちないようにすることができます。
5.電子ブレーカーを使用するメリットとは?
電子ブレーカーは一般のブレーカーよりも一定の時間以内ならばより多くの電流を流せることになります。
たとえば、短時間でON/OFFするような負荷変動が大きい機器の場合には、一時的に定格電流を超えても短い時間で、定格電流以下に戻りますので、ブレーカーが落ちなくて済みます。
これが一般的なブレーカーですと許容範囲以上に電流が流れた瞬間にブレーカーが落ちてしまいます。
短時間のピーク超過では落ちず、最大電力消費を監視し制御できる
『電子ブレーカー』という製品が登場したことで、安全に契約容量を切り替えて 電気基本料金を大幅に安くできるようになりました。
6.電子ブレーカーを導入する前に
低圧電力の契約容量は、契約状況や機械の稼動状況、電気の使用状況などによって異なります。
電子ブレーカーを販売する会社は、安全な契約容量を調査した上で提案をしています。
調査した結果、電力会社に支払っている電気料金と、導入後を比較してみてコスト削除が期待出来る場合は導入を検討しても良いかと思います。
7.まとめ
電子ブレーカーとはそのような商品なのかそしてそれに関連した2つの契約プランについて解説させて頂きました。
こうした部分を見直すことで毎月の電気代が大幅に節約出来る可能性もあります。
もし現在、負荷設備契約で一般的なブレーカーを使用している場合は、
一度、主開閉器契約に変更し電子ブレーカーを導入した場合、
どれだけコストカットが可能なのかどうか販売会社に相談してみても良いかと思います。
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