新電力で考えるエネルギーミックスの仕組みと電気の将来像

電力小売の完全自由化により多くの新電力が市場に参入してきたことで、電気代が安くなるなど消費者にとっては嬉しいメリットが増えました。

しかし電気代が安くなるということは、それだけ市場に競争が起こっているということを意味します。この競争により、「電力小売業者が単価の安い電源に頼りがちになるのではないか?」ということが懸念されています。

電力などのエネルギー資源は、地球規模で取り組んでいくべき環境問題とも密接に関係しています。新電力への切り替えを検討する際には、それらの問題についても考えていく必要があるということなのです。

それらを考える上で、今後、日本が目指していくべき指針とされているのがエネルギーミックスです。このページでは、その仕組みを解説しながら電気の将来像についても考察していきます。

1. 電力自由化がもたらす電源構成の変化

1-1. 自由化以前の状況と課題

電力自由化が始まるまでの日本は、地域の大手電力会社が独占で電力事業を行ってきました。消費者は一部の自家発電などを除き、関東であれば東京電力、九州であれば九州電力からしか電気を購入できませんでした。

地域電力会社は公益事業として、暮らしに欠かせないインフラを整備し運営する事業を担っていましたから、「電気の安定供給」のために多くの電力を作る必要がありました。そのため電気の調達は、自社の大型の火力発電や原子力に頼っていました。

多くの消費者も電源構成についての関心度は低く、「電気が停電しなければよい」という程度の認識しかありませんでした。

しかし福島第一原発の事故を受け、原子力での発電を見直す消費者が増えています。また世界的な環境問題もあり、自然エネルギーへのシフト率を高めることは、今後の大きな課題となっています。

1-2. 新電力の登場による懸念

電力自由化により多くの新電力が電力市場に参入してきました。消費者が電力会社を自由に選べるようになったことで、これまで地域電力会社の独占状態にあった市場に競争原理が入りました。

これにより電気料金が安くなるなど多くのメリットも生まれましたが、新電力各社が調達電力の単価を下げるために、比較的導入しやすい電源に偏りがちになるという現象も起きています。

現在、新電力の多くは電源を火力発電に頼っています。また今後の発電所計画の多くが、石炭や天然ガスを燃料とする火力発電所です。

もしこの電源計画がすべて実現されるようなことになれば、二酸化炭素の排出が増大し環境に与える問題が深刻化します。

消費者も安価な電源を求めるだけでなく、新電力の電源構成には関心を持っていく必要がありますし、発電方法を含む電源調達の問題は、これから取り組んでいくべき懸案事項になっています。

2. エネルギーミックスの仕組み

2-1. エネルギーミックスとは

エネルギーミックスとは、簡単に言うと「電源構成の最適化」です。必要な電力を確保するためには様々な発電方法により電源を確保する必要があります。

発電方法には、石油や石炭、天然ガス等を燃焼して発電する火力発電、水の高低差により発電する水力発電、ウラン燃料の核分裂熱を利用する原子力発電、その他再生可能エネルギーを使った太陽光発電・風力発電・バイオマス発電などがあります。

それぞれの発電方法には異なる特徴があり、発電コストや二酸化炭素排出量、発電量にも違いがあります。エネルギーミックスはこれらの違いを鑑み、十分な電力を得ながら環境にも配慮していくための指針とされています。

2-2. 2030年度の望ましい発電方法

経済産業省は、2030年度を目標とするエネルギーミックス案を2015年7月に正式発表しています。

発電比率は、火力発電56%。原子力発電20~22%。再生可能エネルギー22~24%とされ、それぞれの原料についても細かく目標数値を提示しています。

しかしこれはあくまでも目標数値であり、新電力の登場によってこのまま火力発電による電源確保が進めば、当然達成できない数字となってくるのは必至です。

また政府の提示したエネルギーミックスに対して、環境NGOなどは、再生可能エネルギーの比率を上げ、化石燃料への依存度を下げるような主張をしています。

エネルギーの基本計画は、新電力と消費者がこれからも考えていかなければならない問題となっているのです。

3. まとめ

地球温暖化などの環境問題は、全世界的な懸案事項です。また電力自由化に先に取り組んでいたヨーロッパの国々では、エネルギーミックスを含む電源構成には非常に慎重に取り組んでいます。

日本では電力自由化に伴う新電力の登場で、火力発電への比重が大きくなることが懸念されています。

国際社会の一員として、これらの問題にどのように対処していくのかは、今後十分な審議がされていくべきでしょう。

消費者である我々もエネルギーミックスについては、関心を高めていかねばならないのです。

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