実質完全LED化する2020年問題の現状とは?

実質完全LED化する2020年問題の現状とは?

2014年4月に、新しいエネルギー基本計画が、閣議決定されました。

この閣議の中で政府は、2020年までに高効率照明の普及率をフローで100%とする目標を掲げたのです。

この発表が発端となり、2020年に白熱電球、蛍光灯の製造が禁止になるとマスコミが記事にしたのです。

2011年の東日本大震災以降電力需給不足となり混乱をきたしたことはまだ記憶にあると思います。

この震災を背景に、LED化は急速に進んできています。

ここでは、LED化を進めるにあたり、2020年問題が現状どのように進んでいるのか見ていきましょう。

LED化に関する2020年問題とは

LED化における2020年問題として知られるようになったのは、マスコミの報道がきっかけでした。

2015年11月26日に総理大臣官邸で開催された第3回「未来投資に向けた官民対話」の中で安部首相が以下のように発言されました。

  • 住宅の省エネを促進する
  • 2016年度までにトップランナー制度に白熱灯を適用する
  • 2020年までに省エネリフォームを倍増する

照明関係における安部首相の談話では、白熱灯に言及しただけでした。

これを受けて各マスコミは、蛍光灯の「製造中止」「生産中止」というキーワードを用いて一斉に報道したのでした。

これが、LED化に関する2020年問題と言われるものです。

【参照:平成27年11月26日 未来投資に向けた官民対話|首相官邸
【参照:新しいエネルギー基本計画が閣議決定されました|経済産業省

LED化2020年問題の経緯

政府は、エネルギー政策基本法に基づいて、基本的な方向性を示すために2002年6月に最初の制定がされこれまで4回行われました。

2011年東日本大震災が発生し、LED化への2020年問題は急速に進んでいくことになります。

2013年10月には、「水銀に関する水俣条約」が締結され、2015年3月に、「水銀による環境汚染の 防止に関する法案」について、閣議決定されました。

この法案は、地球規模の環境汚染を防止することを目的されたものです。

2015年11月には、先ほどお話ししたように「未来投資に向けた官民対話」の中で首相がトップランナー制度に白熱灯の適用について触れました。

これを受けて各マスコミは、蛍光灯の「製造中止」「生産中止」とうキーワードを用いて一斉に報道をしたのでした。

その後、経済産業省は、マスコミ報道に対し、「政府が強制的に禁止するものではない」と表明するに至ったのです。

【参照:新しいエネルギー基本計画が閣議決定されました|経済産業省
【参照:報道発表資料-平成27年3月10日 水銀による環境の汚染の防止に関する法律案及び大気汚染防止の一部を改正する法律案の閣議決定について|環境省

2020年LED化問題、現状はどのようになっているのか

政府の発言が曖昧のまま走り出した2020年問題ですが、現状はどのようになっているのか見ていきましょう。

「水銀に関する水俣条約」について

2013年1月19日に、ジュネーブで「水銀に関する水俣条約」という国際条約が結ばれました。

この名称を見て明らかなように水俣病は、1956年に起こった公害事件です。

化学工場が公害廃液を海に流したことから水銀に汚染されたのです。その海でとれた魚介類を食べた人に中枢疾患患者がでてきました。

この症状は非常に重く、世界で患者数が2番目の公害事件と言われています。

水俣病が確認されて60年経過しました。患者数はまだ、5,000名を超えていると言われています。

同様の公害事件は世界中で起こっており、現在でもまだ続いている問題です。

「水銀に関する水俣条約」が、2020年に発効されることで、このような公害事件の発生を防ぐために水銀の規制がされることになったのです。

【参照:水俣病について知って欲しいこと|一般財団法人 水俣病センター相思社
【参照:水銀に関する水俣条約|外務省】

トップランナー制度

経済産業省は、「政府が強制的に禁止するものではない」としながらも省エネ「トップランナー制度」に白熱灯を採用することを明らかにしました。

この「トップランナー制度」とは、電気製品、自動車関連の省エネルギー化を図るための制度です。

この制度は1999年施行の合理化に関する法律で導入されました。

エネルギーの最高効率を超える製品開発を促進させ、省エネ対策の強化を目的としています。

トップランナー制度の採用により、水銀を含む製品の製造や輸出入を2020年までに原則禁止されているため、各メーカーの対応が急がれています。

2020年蛍光灯製造中止へ

「水銀に関する水俣条約」の発効によって、2020年以降水銀を使用した機器の製造、輸出、輸入が原則として禁止されることになりました。

例外的に認められているものは、研究用の計測器、軍事的用途に代用できない製品に限られています。

蛍光灯については、家庭向きの蛍光灯は、水銀灯の基準をクリアーしているものが製造される予定でいると言われています。

しかし、政府の行動、世界的な動向をみると、照明器具はほとんどがLED化されていくのではないでしょうか。

LED化の進歩

LED化の進歩
LED化を進めるために、各メーカーで様々な技術開発を図ってきました。

デメリット、欠点として指摘されていたことがどのように解決されていっているのか見ていきましょう。

5-1:照射配光

これまでLED照明は、強い光で狭い範囲を照らすだけでした。

そのため、倉庫など天井が高い場所での使用には適していませんでした。

各メーカーの開発が進み、高感度の大型レンズを用いることで改善されたのです。

高所に設置されたLED照明は強い光で、広範囲を照らし出すことに成功し、実用化されています。

発熱が低い

発熱が低いことは、エアコンの効率を高めるため、LEDのメリットとえます。

しかし、信号機など野外で使用する照明をLED化した場合、季節によってはデメリットになってしまうことがあるのです。

冬の東北でLED化した信号機を使用した場合、雪が付着し何色が点灯しているのか分からない状態になってしまうことがありました。

これを解消するために、

  • カバーを付ける
  • 表面に特殊な塗料を塗る
  • フラット型信号機にする

など様々な対応をしています。

LED化各メーカーの動向

大手メーカーの現在の生産状況について見ていきましょう。

6-1:パナソニック

パナソニックは、1999年に初めてLED照明の販売をスタートさせました。

2014年には、蛍光灯照明器具の生産から、2015年度中に撤退し、省エネ効率の高いLEDを明らかにしました。

完全LED化への移行時期を表明したのは、パナソニックが最初だと言われています。

2018年中に蛍光灯の完全撤退することを予定されています。

東芝ライテック株式会社

2007年には、実用的な明るさのLEDダウンライトの販売がスタートしました。

2009年には一般電球型LED電球を業界で初めて発表したのです。

2017年3月をもって蛍光灯器具の製造が中止され、これまでの実績を活かしてLED照明へ移行することになりました。

NECライティング株式会社

2016年にNECライティングは2018年3月に蛍光灯器具の生産を終了することを表明しました。

その一方で、殺菌灯などの特殊用途蛍光灯器具、蛍光灯ランプは引き続き生産を続ける予定でいます。

LED化2020年に関するまとめ

2013年10月に「水銀に関する水俣病」が採択され、2020年問題としてマスコミ報道されました。

この条約により水銀灯は2021年以降、製造、輸出入が禁止となります。

LED照明が発売された当初は、欠点が多く、これまでの照明に比べ価格も高いこともあり、なかなか進まない状況でした。

それが、政府や、国際的な動きを背景に開発が進むことでLED化が急速に進むことになったのです。

LED化は建物の照明だけでなく、自動車のあらゆる照明や植物工場の植物育成のための照明など特徴を生かした使用も広がっています。

これから、2020年に向けてますます、LED照明は身近なものになっていくことでしょう。

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