エコオフィスの取り組みに必要な2つの要素

two-elements-necessary-for-the-efforts-of-the-eco-office省エネ

『節電』『省エネ』『エコ』などエネルギーを節約するための取り組みが日本全国に広がりを見せており、省エネ性能に優れた機器が次々とリリースされています。

また、2011年には福島第一原発が事故により停止してしまったことから電力不足を補うため、『スーパークールビズ』を推奨することで空調電力量を抑える取り組みがありました。

原発事故が起きて以降は特に環境汚染やCO2排出量の増加が懸念されています。

このことから、以前のエコ活動は工場で行われるのが一般的でしたが、今ではオフィス内でもエコへの取り組みが広がっています。

では、私たちが今すぐにでも取り組めるエコ活動にはどんなものがあるのか?

1つ1つ見ていきましょう。

『エコ』の意味とは?

『エコ』の意味とは?
まず初めに、「そもそもエコって何なの?」ということですが…

エコは『エコロジー(生態学)』『エコノミー(経済)』の頭文字をとった省略形と言われています。

近年では人間生活と自然との調和などを表す考え方として「eco-〇〇」と環境に優しいという意味で使われていることが多いです。

『環境破壊』『公害問題』『地球温暖化』など環境問題が表面化して関心が集まるにつれて地球に優しい取り組みとして『エコ』が日本中で広まっていきました。

環境に優しいという意味では資源物資のリサイクルや再利用などがエコ活動になりますが…

オフィスでのエコ活動の場合、廃棄物を減らすだけにとどまらず、『省エネ』『節電』などの問題も含めエコ活動として重要視されています。

では、オフィス内で取り組めるエコ活動にはどんな種類があるのかを順に見ていきましょう。

省エネによるエコ対策

エコ対策として最初に思いつきやすいのが電力量の省エネ化です。

電力使用量が減らせることができれば、発電量も少なく済みますので、CO2削減に大きく貢献することができます。

オフィスの電気料金も節約できるため、エコ対策と同時にランニングコストも下げることができます。

省エネというと電力消費量が少ない新型の機器を導入しなければならないのかと考えてしまいますが…

そういった大規模工事だけではなく、周囲との協力によりすぐに取り組めることもあるはずです。

たとえば、家庭内でも使っている家電の毎日の設定を少しルール化して変えるだけでも電力消費量が変わってきます。

それが1時間単位ではそこまで大きく変わらなくても24時間365日の日々の積み重ねで大きな差として表れてくるのが『省エネ』や『節電』になります。

エアコンの設定温度の変更と運転効率のアップ

省エネとして最も印象が強いのは2005年から始まった『クールビズ』『ウォームビズ』です。

ノーネクタイ・ノージャケットスタイルで快適に過ごせる服装を推奨され、エアコン使用の節約に取り組まれています。

環境省が推奨するエアコンの設定温度は冷房時の温度では28度(夏場)暖房時の温度では20度(冬場)となっています。

ただ、実際この推奨温度設定では過ごすことに厳しさを感じる場合も少なくありません。

この温度設定で快適に過ごすことができなければ続けることは困難になり、社員の仕事能率が落ちたり健康状態を害してしまっては逆に大きな損失にもなりえます。

やはり快適に過ごせる環境作り。

ここが長期的にエコオフィスを実現するための必須条件になってきます。

開口部の熱の出入りを少なくすることが運転効率UPの秘訣

エアコンの効きの良し悪しについてですが、開口部からの熱の出入りをできる限り防ぐ必要があります。

開口部とは建築物から外部へ向かって開いている部分を指します。

具体的には窓、出入り口、換気口、部屋の至る所にある空間の隙間など開いている部分です。

夏であれば部屋を冷却し、冬であれば部屋を暖めると思いますが、エアコンのスイッチを切ってしまえば次第に常温に戻ってしまいます。

開口部から内部の熱が放出されたり、外部の熱が侵入してくるためです。

では、熱の出入りの一番激しい場所がどこかというと窓になります。

一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会のデータによると夏場では58%、冬場では73%と半分以上の熱が窓から出入りしているということです。

【参照:省エネルギー建材普及促進センター

つまり、窓からの外気熱の侵入や流出を防ぐことがエアコン効率を上げる鍵になってきます。

一般的にオフィスにはブラインドが常備されていると思いますが、それをうまく活用していくだけでも外気熱の遮断率がアップします。

玄関口やエントランスなどお客様からの印象を良くするためにブラインドを使用できない部分もあると思うのですが…

そんな場合に活用したいのが紫外線カットフィルムなどの断熱シートになります。

多くのものが透明シートになっているため、オフィスの雰囲気を損なうなどのデメリットもありません。

光を取り入れながらも太陽光からの紫外線や赤外線をカットすることで太陽からの熱源や外気の遮断に役立ちます。

フィルターを定期的に清掃してエアコンの性能を維持する

エアコンの運転効率を上げるには開口部の熱の出入りを抑えるなどの室内環境を変えることも必要ですが…

もう1つ心掛けたいことはエアコンそのものの性能を高い状態で維持することです。

オフィスの場合、エアコンを毎日長時間に渡って使用することになります。

そのため、フィルターに汚れが蓄積していき定期的に掃除を行なわないことには運転効率が徐々に低下していきます。

そして、エアコンの効きが悪くなってしまうと設定温度を変更して電力消費量が大きくなるという悪循環に陥ってしまいます。

常にエアコンのパフォーマンスを高効率に維持するためには定期的なフィルターの掃除が必要不可欠です。

汚れに気がついてから掃除するというよりも予め1週間の中で掃除する曜日を決め、ルール化しておいた方が定期的なフィルター掃除に繋がります

ちょっとしたひと手間を加えるだけでエアコンの効率が大きく向上しますので是非実践してみてください。

照明やパソコンを省エネ化する

操業時間内で毎日使用し続けるものというとやはり照明やパソコンだと思います。

普段使っていると忘れがちですが、オフィス内のすべてのパソコンを省エネモードに設定することでかなりの省エネ効果が見込まれます。

また、室内の照明も空間すべてを明るく照らす必要はない場合もあります。

たとえば、「ちょっと明るすぎない?」と思えるような明るさが必要ない空間では照明の間引きをすることで電気の消費量を抑えられます。

他にも、窓際であれば自然光で照らされていれば十分な明度があります。

ブラインドなどを使用することでも自然光の角度を調整することも可能です。

時間帯によって日光の位置は変わるので朝であれば東側の照明は使わない。

午後になれば西日が強くなるので西側の窓際の明度を落とすなど。

時間帯によって照明で照らす範囲を変えることでエネルギーの使用を大きく削減することが可能になります。

このように、照明の明度を落としても快適に過ごせる空間作りは可能になることも多いです。

自動運転機器の時間外運用を見直す

電力消費量を見直してみると自動運転で24時間365日稼働し続けている機械もあるかと思います。

たとえば、コピー機、自動販売機、トイレの暖房便座、エレベーターなど

操業時間外、土日祝などの使われていない時間も動き続けている機器は探してみると意外と多いはず。

そういった機器の時間外運転を停止する、あるいは省エネモードへ切り替えることで操業時間外の大幅な省エネが可能になるはずです。

操業時間外は1日全体を見渡してみれば全体の2/3近く占めるだけに、積み重なればかなり大きな省エネ効果を生み出す可能性があります。

オフィスの中では様々な機器が自動化が進んでいるだけに見落としがちな盲点です。

今すぐできることであれば、操業時間を過ぎたと同時にスイッチを切る機器を決めておくなどルールとして決定することが重要になります。

ペーパレスを環境デザインしてゴミの排出量を減らす

ペーパレスを環境デザインしてゴミの排出量を減らす
大量に紙を印刷するオフィスの場合、印刷のミスや機密情報の漏洩を防ぐためにより多くの紙を廃棄処分することになる場合が多いです。

廃棄物が多くなるということは燃やされるゴミが多くなってしまうのでCO2の増加に繋がっていきます。

そんな捨てる紙が日々生まれる中で、今すぐできることはなんなのか?

会議資料のコピーは必要最小限に抑える

会議資料を全員分コピーして配る場合が多いですが、会議の資料が会議後もどうしても必要な人は実質のところ少ないはず。

つまり、コピーした資料のほとんどは廃棄されることになり、これが積み重なるごとに燃えるゴミがどんどん増加していきます。

そうならないためにも説明はプロジェクターやタブレットを活用して資料を配布する人の基準を予めルール化して決めておくが大切です。

たとえば、関連部署や重役の人たちのみなど配る人たちを限定していきます。

配布資料の量を制限することにより、無駄な廃棄物を減らすことに繋がるはずです。

コピーには再生用紙を使用する

再生用紙は普通紙に比べ、白色度が低いというデメリットはありますが、社内だけで使用する場合は必ずしも白色度が高い紙である必要はないと思います。

再生紙の使用量を増やしていけば、原料木の使用を減らすことにも繋がるため、総合的には地球環境への負担を減らせると言われています。

コピー機の使用もお客様仕様のものと社内使用のものを分けて使うことでコピーの使い分けが可能になるはずです。

【参照:コピー用紙の再生紙。白色度や価格を徹底比較

廃棄用紙をメモ用紙として活用することをルール化していく

これはもはや定番かもしれませんが、廃棄予定になっている用紙をメモ用紙として活用していきます。

しかし、多くの場合が個人レベルで実行している場合が多く、メモ用紙として活用しやすい環境が整えていないケースが多いと思います。

これも廃棄用紙をメモ用紙として活用しやすい環境やルールを整えないことには継続して続けるのは難しくなります。

たとえば、環境デザインとしては廃棄する用紙の中でメモ用紙として使えるものはダンボール箱などで集めやすいように設置しておき、

裁断機でメモ用紙サイズにカットしてクリップ止めでまとめておくとすぐにメモ用紙として活用できる環境を整えられます。

このように、廃棄用紙を自然とメモ用紙として活用しやすい環境やルールを決めていくことが大切です。

自販機は紙コップを使用せずマイカップを使用する

従来までは紙コップを使う自販機が多いと思いますが、ここでも多くの紙が廃棄されています。

たとえば、社員が100人いて全員1日に自販機でコーヒーを3杯飲んだとすれば1日300カップの紙コップが捨てられることになります。

今ではマイカップ対応の自販機もありますので、マイカップ対応の自販機に変えていくことで廃棄物を大幅に減らすことに繋がります。

また、社内にドリンクサーバーなどを併用し、自販機の台数を減らすことで24時間の電気使用量を削減するなどの方法もあると思います。

まとめ

今回は電気の省エネと廃棄物の削減の視点からオフィスのエコ活動についてお伝えしてきました。

日々業務に追われて忙しいと省エネやエコについてはつい後回しにされがちですが、すぐに取り組めるものもあります。

『オフィスでルールを共有していくこと。』
『エコに繋がる環境を整えていくこと。』

この2点がエコ活動を継続するために必要な要素になってきます。

是非今すぐ実践できることから環境を整えてみてください。

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