企業が省エネに取り組むことで給付される補助金制度とは?

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「毎月かかってくる電気代がもう少し安くなれば…」

ジワジワ負担がのしかかってくるのが毎月のランニングコストです。

この毎月の負担を少しでも減らすために有効になってくるのは電力消費量が少ない電気機器の導入です。

エアコン、照明、冷蔵庫、パソコンなど、近年では家電製品も省エネ化が進んでいるため長期的に考えれば新製品を導入した方が、修理の頻度や保守管理にかかる費用なども大幅な削減が見込まれます。

しかし、大きな壁になってくるのは新しい機器を購入するときの導入コストだと思います。

導入時の初期投資額が大きな壁になって、導入に踏み切るかどうかに迷いが出てしまう方も多いのではないでしょうか?

今回は省エネ機器の導入の手助けになる、補助金の交付について解説していきます。

省エネ化に取り組みやすい省エネ機器は?

省エネ機器と言っても何から導入していけばいいのか?それを考えたとき、使用頻度が多く、省エネ効果の高い機器から導入するのがおすすめです。

たとえば、どんな事業所でも毎日使用しているものと言えば照明器具です。

そして、快適に過ごすために必要不可欠なのが空調機器です。

使用時間も使用頻度も多く従業員が働きやすい環境作りには欠かせない存在です。

特にLED照明は高い節電効果があり、普及が進んだことで発売当初の価格帯から今では1/5以下に抑えられています。

しかも、節電効果だけでなく長寿命になっているため、照明の交換の頻度も大幅に削減できます。具体的には白熱球の約40倍、蛍光灯の約5倍長持ちすると言われています。

このように、LED照明の場合は電気代が抑えられる以外にも数々のメリットが存在します。

もちろんメリットばかりではありませんが、総合的な観点ではデメリットよりメリットの方が大きくなります。

節電効果が高くかつ多くのメリットがあるものは、導入の価値はあるかと思います。

また、総合的に見てどんなメリットが生まれるのかというのも導入を考えるときの1つのポイントになります。

省エネ効果の高い機器に変えることは高い節電効果でランニングコストを削減できる以外のメリットも生まれてきます。

快適な環境デザインが整えられることで社員のモチベーションや仕事効率が向上し、今まで以上に会社に利益を生み出す可能性も秘めています。

単純にコストを下げるというだけでなく、利益を生み出す可能性があるというのも視野に入れると機器の導入価値の見え方も変わってくるかもしれません。

家庭・事業者向け省エネ補助金制度

家庭及び事業者向けの省エネ機器導入時に利用できる補助金制度に、『家庭・事業者向けエコリース促進事業補助金制度』というものがあります。

そもそも補助金制度は何が目的で施行されたのかということですが、狙いは電力消費の削減による地球温暖化対策のためです。

環境問題として大きなウェイトを占めているのは、二酸化炭素などの温室効果ガスです。

近年の経緯を振り返ると、節電への取り組みが高まったのは東日本大震災の原発事故がきっかけです。

原子力発電所が停止し、代替電源に火力発電を求めざるを得なくなったことで温室効果ガスの排出量が増加させてしまう事態を引き起こしました。

このことにより、節電効果の高い機器の導入して温室効果ガスの排出量を抑えようという取り組みが、社会全体に求められるようになったのです。

節電効果が高く温室効果ガスの発生を抑えられる機器は『低炭素機器』と呼ばれています。

企業に低炭素機器の導入を促すことで電力消費量が大きく抑えられ、結果的には二酸化炭素の排出量を削減することに繋がっていくことが予測されます。

しかし、導入時の初期投資負担が困難な中小企業も少なくないため、低炭素機器の導入を渋ってしまうケースも多くあります。

そこで低炭素機器の導入を促進するために企業の負担を少しでも減らして、低炭素機器の導入を促そうという狙いで施行されたのが補助金制度です。

エコリース促進事業補助金制度の特徴は、導入時の多額の初期投資を頭金なしの『リース』という手法を活用して、低炭素機器導入への障壁を低くする狙いがあります。

補助金の対象機器

補助金の対象になる機器ですが、これは環境省が定めた基準をクリアしている低炭素機器に限られます。

対象機器の代表例で言えば、

『高効率業務用冷凍冷蔵庫』
『高効率業務用エアコンディショナー』
『高効率照明器具』
『高効率蒸気ボイラ』
『太陽光発電設備』
『高効率照明器具』

など、数多く存在します。

使用される頻度が多いものならば、照明器具やエアコンなどが挙げられますが、事業内容によってどんな機器を導入すべきか異なるところがあると思います。

さらに詳しくは下記のページよりご確認頂けます。

対象製品の検索|一般社団法人 低炭素投資促進機構

企業省エネの補助金額はどれくらいか?

リース金利分の助成率として、低炭素機器価格の約3~5%を補助する制度です。

基本はリース料総額の3%ですが、節電効果の高い機器は補助率が5%に引き上げられます。

たとえば、身近な低炭素機器として代表的なのがLED照明器具です。

従来型の蛍光灯や白熱電球をLED照明に変えることで高い節電効果があることから補助額も5%と高めです。

また、岩手県、宮城県、福島県の場合は補助率が10%になるなど、特別な地域も存在します。

【参照:エコリース対象機種と補助率|ミツウロコリース

2-3:企業の省エネ補助金の給付条件は?

補助金にはいくつか給付条件があります。

  • 環境省が定める基準を満たす低炭素機器に係る契約であること
  • リース期間中の途中解約又は解除は原則不可であること
  • ファイナンスリース取引であること
  • リース期間が法定耐用年数の70%以上であること。ただし、リース期間が3年以上の契約であること
  • 日本国内に低炭素機器を設置する契約であること
  • 中古品の低炭素機器を設置する契約でないこと
  • 他国による機器購入に係る補助金を受けた契約でないこと※経済産業省の低炭素リース信用保険制度及び
    被災中小企業復興支援リース補助事業との併用は可能。
  • リース料総額が1契約につき2億円以内、かつ65万円以上であること

以上が給付条件になります。

【参照:家庭・事業者向けエコリース促進事業補助金制度のご案内|一般社団法人 ESCO・エネルギーマネジメント推進協議会

法人向けの省エネ補助金制度

上記の家庭・事業者向けの補助金制度以外にも国、都道府県別、さらには機器別でも様々な補助金制度が施行されています。

その中でも代表的なのが経済産業省による『エネルギー使用合理化等事業者支援補助金』で最も大きな規模のものです。

今回はこちらの紹介です。

補助対象事業者

補助対象になるには以下の要件を満たす必要があります。

  • 国内で事業活動を行なっている法人および個人事業主
  • 原則、補助事業により国内において設置する補助対象設備の所有者であり、その設備の法定耐用年数の間、継続的に使用すること。
  • 事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有していること。
  • 経済産業省の補助金等停止措置または、指名停止措置に該当しない者であること

大きくはこの4つの条件に該当すれば補助対象事業者となります。

続いて、補助対象となる事業は大きく2つのタイプに分かれます。

1つめは『工場・事業所単位』で行なう省エネルギー設備導入事業です。

具体的には、

  • 省エネルギー対策事業
  • 電力ピーク電力対策事業
  • エネマネ事業

補助経費としては、『設計費』『設備費』『工事費』が該当します。

2つめは『設備単位』での、省エネルギー設備導入事業です。

たとえば、高効率照明の導入、高効率空調機器の導入など、低炭素機器の導入がこれに該当します。

補助経費は設備費になります。

補助率と補助限度額

補助率は事業によって異なり、工場・事業所単位で行なう省エネ設備導入と電力ピーク対策は1/3エネマネ事業者を活用した事業の場合は1/2になります。

限度額は、下限額が100万円、上限額が15億円になります。

設備単位の場合、補助率は設備費の1/3。

限度額は、下限額が50万円、上限額が3000万円になります。

基本は、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が、補助金制度を請け負う形です。

以上、エネルギー使用合理化等事業者支援補助金の概要になりますが、多くの条件を課せられていることや提出すべき計画書、申請書類などの数も多く、手続きもかなり複雑になっています。

申請期間は5月下旬から6月下旬の1ヶ月となっていますが、この期間だけですべてを進行するのは困難を極めます。

そのため、かなり前倒しで準備を進めておくか代行サービスにサポートしてもらうなどの対策が必要になってきます。

詳細は、以下のURLからご確認できます。

エネルギー使用合理化等事業者支援事業参照ページ

一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)

提出書類一覧

企業の省エネ補助金制度のまとめ

今回は家庭・事業者向けと法人向けに分けて低炭素機器導入のための補助金制度の概要をお伝えしました。

企業へ低炭素機器の導入を促すため、環境省、経済産業省ともに年々少しずつ制度にも工夫を凝らしています。

補助金制度を上手く活用するためにも、今後の動向にもご注目ください。

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